ポール・コリア―とコロナ禍の日本

ポール・コリアーについて調べてみた。

ポール・コリアーは非常に面白いことを述べており、今のコロナ禍における私の仕事についてその考え方は反映されうる。

コロナ禍において、資本主義経済であった我々は格差がますます変動することとなった。

資本主義は経済の発展には欠かせないが、格差を助長し、弱者を見捨てうることにもなりかねる。

コロナ禍においてその資本主義的構造に影響があり、急に給料が減る、解雇されるという「弱者」的立場になった人も少なからずいる。

その中でロールズ主義と功利主義があるわけだが、平等を強く意識しすぎる場合、「エデンの園」ではなく、権利に基づく個人主義が行き過ぎることにもなりかねない。

ロールズの考え方をいうと、自己の利益を求める合理的な人々が共存するために相互の合意によってもたらする構想であり、端的にいうと平等であることがいいと述べている。

他方、功利主義というと、行為や制度の社会的な望ましさは、その結果による効用によって決定されるという考えである。
端的には、「万人の利益」といえる。

その資本主義的考えと後者の「万人の利益」はある意味相反するものかもしれない。

厚生経済学的観点となれば、ピグーやロビンズがあるが、ここでは割愛する。資本主義に相反するマルクス主義もあるが、ここでは述べない。

その中で、私が気に入ったものは「社会的母権主義(ソーシャル・マターナリズム)である。
ある意味これは市場経済的にも、倫理的観点にも根差す政策で、社会の溝を解消しうると考える。

国家として社会と経済の両方の役割としては、この考えは重要だと思う。