インドネシアの環境問題

インドネシアでは環境問題が深刻である。水質汚濁や急速な熱帯林の減少による自然破壊、飲料生活用水の汚染等による環境衛生問題など、課題は多い。首都ジャカルタでは、人口集中と経済活動の活発化による自動車による大気汚染や水質汚濁、廃棄物の増大、上下水道などの生活インフラの未整備等がある。私がインドネシアのバンドンを訪れたときも、道にゴミが落ちていた。ゴミをポイ捨てする背景としてゴミを分別する習慣がなく、プラスチックゴミも燃やしてしまっているような環境であった。有害廃棄物の処理にも困っている。開発途上国では、急速な経済成長の弊害として、大気汚染等の環境問題を抱えている国も多く、これはインドネシアだけではないようだ。1980年代に、先進国からの廃棄物が途上国に放置され環境汚染が生じるという問題がしばしば起こり、このような背景からバーゼル条約が生まれた。この条約の目的では「有機廃棄物及び他の廃棄物の国境を越える移動およびその処分の規制について、国際的な枠組みを定め、人々を廃棄物からの危険から守ること」を目指している。インドネシアでは、1994年に批准され有害廃棄物の管理に関する政令が定められた。また、JICAや日系企業も環境問題への改善を図っている。インドネシアの首都移転計画もあり、2024年に首都ジャカルタからカリマンタン島に移転すると発表されている。これは首都での人口増加による交通渋滞や環境問題を改善することも背景にある。また、世界経済フォーラム(WEF)によれば、ジャカルタは世界で最も地盤沈下が激しい都市の一つであり、洪水の被害を受けやすいという脆弱性を抱えているらしい。近年ではインドネシアでは環境対策に非常に力を入れて、ゴミ銀行というゴミを分別しリサイクルしようというインドネシアならではの取り組みもある。環境問題というと幅広くなってしまうが、環境に目を向けてよりよい地球環境を築くためにも、一人一人が地球環境に目を向けて質的にも量的にも改善させたい。

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危機遺産アレッポの旧市街

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シリア(シリア・アラブ共和国)に「アレッポの旧市街」という世界遺産がある。アレッポは新市街と旧市街にわかれる。世界遺産の歴史としては1986年に世界文化遺産に登録されたものの、2011年に発したシリア内戦により、スークが消失するなど甚大な被害から危機遺産リストに追加された。シリア北部のアレッポは、メソポタミアとヨーロッパをつなぐ中継地となった隊商都市で、現在もシリア第二の都市とされている。歴史的には紀元前2世紀ごろまでさかのぼり、首都のダマスカスに次ぐ歴史をもつ。旧市街には総延長約12キロのスークがあり、300軒以上の店舗やモスクを備えた巨大なキャラバンサライ(隊商宿)のハーン・アルムジュルクは、隊商都市として繁栄した往時の様子を伝える。丘に立つアレッポ城は、十字軍やモンゴル軍の攻撃に耐え抜いた難攻不落の城である。

内戦(政府軍と反体制派の対立)により、2012年にはアレッポ市内にも拡大した。攻防により、ミナレットが爆破されたこともあった。空爆により、市街地が破壊され、犠牲者、国内避難民、難民が発生している。内戦により世界遺産が破壊されてしまうのは遺憾である。

世界危機遺産であるエルサレムの帰属問題

エルサレムという地域は現在でも宗教的な対立が混在し、「エルサレムの旧市街とその城壁」として世界文化遺産に登録されているが、遺産保有国は唯一実在しないエルサレムとなっている。なお、パレスチナイスラエルの紛争に加え、急激な都市開発の進行、観光客増加による被害、維持管理費の不足等を理由として1982年に危機遺産リストに追加されている。

エルサレムは、3つの宗教であるユダヤ教キリスト教イスラム教にとって宗教的に重要な聖地とされている。

歴史としては、エルサレムダヴィデによって古代イスラエル王国の首都とされていた。ダヴィデの跡継ぎであるソロモンは街の中心部にあるモリヤの丘に「十戒」を納めた神殿を建築した。十戒とはユダヤ教唯一神ヤハウェモーセに与えたとされる。エルサレムは宗教的かつ政治的にユダヤ人の中心地となる。しかしながら、後70年にはローマ軍によって市街と神殿が破壊された。ユダヤ人は神殿のあった丘から追放されて故国を失い、世界各地に離散(ディアスポラ)せざるを得ない状況となった。ローマ軍侵攻後、キリスト教徒にとってもイエス・キリストが十字架に処された地としてエルサレムは重要な聖地となる。加えて、638年にこの地がイスラム軍に占領され、1099年に十字軍によってキリスト教の手に戻り、1187年にはサラディンによってふたたびイスラム教の聖地に戻り、20世紀初頭までイスラム教の支配下にあった。ただ、このような紛争により多くの神殿や礼拝堂が失われた。帰属問題は現在でも残りエルサレム第一次中東戦争にて東西に分割、旧市街の東エルサレムはヨルダン領、新市街の西エルサレムイスラエル領とされた。このように領土の帰属問題は現在でも存在する。紛争の舞台となった3宗教の聖地でありトランプ氏のように都合よく大使館をエルサレム移転など、中東の緊迫化をそそのかしてはならない。中東和平にアメリカの役割は欠かせず、次の大統領選には私は固唾を呑むばかりである。

新型コロナ感染者7.8億人とWHO推定

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世界保健機関(WHO)はコロナウイルス(COVID19)の感染者を7.8億人と試算しこの数字は世界全人口の1割に相当する。WHOや米ジョンキンズ・ホプキンズ大の集計で確認された累積感染者の20倍にあたる。世界の判明している累計感染者は3500万人であり、所謂「無症状感染者」がかなり多いことになる。PCR検査も十分に行き届いていないことも挙げられるが、PCR検査での精度は論文によると、60-70%と言われており、偽陰性偽陽性の可能性もおおいにある。試算の仕方については公表されていない。どういう計算をすると7.8億人にいきつくのだろうか。3500万人/7.8億人より、100人のうち約4.5人しか表にで出ず、95.5人は「無症状感染者」ということになる。

集団免疫の獲得を目指す国もあるが、コロナの政策にはまちがいなく国の力量が試されている。

アフガニスタンと支援

2001年9月11日のアメリ同時多発テロをもってアフガニスタンは有名になった。アフガニスタンでは内戦によって多くのアフガン難民が発生した。

アフガン難民の帰還の動きは予想以上で2002年には180万人に達し、2003年の終わりまでの二年間で国内避難民をあわせて300万人が故郷へ帰った。戦争で荒れ果て、紛争中に地雷で使えなくなった田畑、紛争中に毒がもられ、破壊された水路、泥と土だけになった家屋。どう援助するかが課題である。UNHCRが直面した課題のもと生まれた「緒方イニシアティブ」によるインフラの再構築、ユニセフなどの緊急人道支援援助などがある。日本もDDR-Disarmament、Demobilization、Reintegration(武装解除・動員解除・社会復帰)といって兵士たちの社会復帰を助ける面でも、さまざまなアイディアが固められている。また、国家の安全保障と並行して職業訓練、草の根部門の援助による地域社会再建を促す、経済状況の改善といった必要性のある課題もあった。とにかく現地のニーズにあった適切な支援をしなくてはならない。アフガニスタンでは、目に見えるインフラよりも人間の技術、維持管理能力、社会の統治制度や機能など目に見えないものの破壊力も同様に大きいとされる。さらに、アフガニスタンの保健状況を示す指標は悲惨な状況であり、平均寿命は43歳である。アフガニスタン保健省、国連児童基金ユニセフ)と米国厚生省疾病管理・予防センター(Center for Disease Control:CDC)が2002年夏共同で行った調査によれば、妊産婦死亡率の平均は出生10万人あたり1600人であった。CDCといえば、2020年のCOVID-19に関することでよく登場した保険関連機関である。

アフガニスタンでは毎日800人の子どもの多くが予防・治療可能な病気によって亡くなっている。アフガニスタンの保健状況は世界的にもっとも悪い水準である。戦争によって保健医療サービス、教育、その他社会システムが崩壊してしまった。農村部ではさらに環境は劣悪である。NGOの役割も大きく、例えば、中村哲さんの「ペシャワール会」によってパキスタンアフガニスタン現地事業体(診察所・農業・灌漑・PMS方式取水技術の普及活動)の支援をしていた。

ちなみにタリバン結成の目的は内戦の終結、治安の回復とイスラム法に基づいたイスラム体制の確立である。2002年のユニセフ発表では男女ともに非識字率は90%、NYの国連本部では93%となっていた。幼稚園の教師が非識字率であることも多い。また、初等教育男児が39%,女子が3%と低い(ユネスコ)。アフガニスタンでは非識字率が非常に高い。親たちが子どもたちに学校に送らない理由として安全への不安、学校への距離、学校施設の未整備などを挙げている。また、インフラ、教育、保健以外に「女性の地位の向上と国家建設への参画」を復興、開発支援と言われている。教育に関して知的障害の教育に関しては進んでいない。カリキュラムの制定も欠かせない。「銃治国家」から「法治国家」にするために、平和構築、貧困問題、教育の改善、経済開発、衛生、地雷の除去、難民の帰還促進をする必要があり解決すべき課題は多い。

バクスター効果

バクスター効果というものがある。これは植物が人間の感情を読み取る力があるという現象のことである。嘘発見器ポリグラム)の専門家であるクリーブ・バクスターが発見したことをちなんでつけられたのだが、水が根元から葉まで届くのにどれくらい時間がかかるのか、観葉植物のドラセナの葉に嘘発見器の端子をつけて実験をおこなった。バクスター氏は実験にて思うような結果が得られず、「葉を燃やすぞ」と心の中で思ったことより、嘘発見器の針が以上に振れたのである。実験から植物は他者の思考を読み取り、感情的に反応しているという結論に至った。これより植物に愛情をかけ、植物がそれに対して反応を示すことを「バクスター効果」というようになった。この研究は神経組織のない植物に感情の伝達はありえないという具合に反論を受けた。ただ、植物だけでなく、動物もまた同様に感情をもち、人間は植物や動物をものとして扱うことが多々あるが、感情を伴った生き物として尊重することは大切であろう。

シーンとは

今日はちょっとした雑学を。

はじめに静かなことをなぜ「シーン」というようになったのであろうか。実際に無音のところでシーンと聞こえてくるからである。夏目漱石志賀直哉手塚治虫らが無音の擬人として使うようになった。人間の耳の神経の仕組みによって「シーン」という音がなっており手短にいうと耳は体の外から来る音に反応するだけでなく、脳からの信号にも反応することから「シーン」という音が聞こえる。

人間のことはまだわかっていないことが多いが不思議な現象が調べてみたら多いものだと感じた。