近年増える発達障がいと診断基準

所謂近年世間に知れ渡る「発達障がい」(神経発達障がい)について判断基準が少しずつ変わっている。DSMというものに基づいて診断基準が定められているが、今はDSM-5(米国精神医学会診断マニュアル第5版)という2013年5月に発表されたものを基準にしている。

1990年代に自閉症アスペルガー障がい、特定不能の広汎性発達障がいなどを広汎性発達障がいの連続体としての1要素として捉え「自閉症スペクトラム」という概念が提唱されたものの、高機能自閉症アスペルガー症候群の差異が明確ではなく、知能指数の高低が認知にどのように影響するかを検証する必要性があった。

ちなみに、その「連続性」というのは、非常に曖昧なものだと私は感じている。黒か白かといったらグレーであり、白とも黒とも言い難い。例えば、「状況把握が少し苦手という人」もこの診断のレッテルが貼られるという危険性のある診断基準でもある。

さらに、PDD(広汎性発達障がい)とASD自閉症スペクトラム障がい)には、似ているが少し違う点もあり、PDDと診断されている者のうち、約4分の1が自閉症スペクトラムと診断できないと示している。

PDDには「不特定の障がい」という項目があり、近年発達障がいが増えるというより、発達障がいの傾向がある人が含まれるようになったと私は判断している。こうした精神に関わる障がいとは目に見えず解釈やカテゴライズが難しいと感じる。

<参考文献> 高橋泰子,石川健二,橋本篤孝(2014)DSM-5における神経発達障がいの診断基準.Journal of Osaka Kawasaki Rehabilitation University Vol.8.No.2.2014 pp.122-133

f:id:betaose:20201101152503j:plainf:id:betaose:20201101152434j:plainf:id:betaose:20201101152424j:plain